犬猫を保護していると、幼齢の子に時々みられる症状があります。
それが【分離不安症】という症状です。
・分離不安症
喪失体験や過去に怖い思いをした経験などから飼い主がそばにいないと不安を感じ、問題行動を起こしたり、下痢、嘔吐などの体調不良がみられる状態を「分離不安症」といいます。
我が家でもひじきとしおが子猫の時に分離不安症になりました。
クンクン、ニャーニャー鳴きながら、飼い主さんの後をついてくると「可愛い!」と思いがちですが、症状が深刻化すると嘔吐、下痢、脱毛、自傷などもみられる場合があります。
なにより飼い主さんが留守の間、ずっと家で鳴き続けていると考えると、精神的・体力的な面でもとても心配になってきますよね…。
それでは実際に「分離不安症ではないか?」と思われる行動や、対応方法をみていきましょう。
分離不安症ではないか?と疑われる3つの症状
犬猫どちらともに共通する症状は、
飼い主さんが見えなくなったら、目の前に現れるまでずっと鳴き続けます。
寂しさや不安から鳴いているので、飼い主さんがそばにいる時は安心してベッタリとくっついてくるパターンが多いです(;^ω^)
飼い主側からすると、赤ちゃんの「後追い」と一緒で可愛さが増しそうな状況ですが、これがエスカレートすると問題行動に移行するので注意が必要です。
「家の物を壊す」だったり、「トイレをいつもと違うところでしてしまう」などです。
飼い主さんの興味を引きたい為に問題行動をすることが多いですが、留守中のいたずらなどで誤飲やケガなどしてしまう可能性があります。
さらに深刻な状態になると、下痢や嘔吐、食欲不振、震え、自分の体を噛んで傷をつけたりすることがあります。
ストレスで抜け毛などが目立つ場合もあるようです。
人間と一緒でペットにもストレスは大敵です。
体の不調が出てしまう前に、なんとか対策をとりたいですよね。
分離不安症になる原因とは?
分離不安症になる原因として考えられているのが、「心的不安」です。
保護犬や保護猫は特に「喪失体験」をしている子が多く、親や兄弟とはぐれて不安な気持ちを経験している子がたくさんいます。
また野良時代にカラスに追い回されたり、怖い思いをしていることが多く、保護した子犬、子猫ちゃんは分離不安症になりやすいと考えられています。
もちろん早い段階で親から引き離されるなどの状況で、ペットショップやブリーダーさんの犬猫も分離不安症になる場合があります。
その子の性格によるところも大きいので、どちらにしても「分離不安症かな?」と感じたら、できるだけ早めに対応方法を考えた方が良いと思います。
愛犬・愛猫が分離不安症だった時の対応方法は?
長男猫である「ひじき」が分離不安症かも?と感じてから、かかりつけ獣医師に相談した時の対応方法をご紹介したいと思います!
症状はそれぞれ違ってくると思いますので、あくまでも一つの参考例として読んでいただけたらと思います(^^)/
ペットファーストの行動を止める
「ペットファーストの行動を止める」と言われても、いまいちピンとこない方もいるかもしれませんよね(;^ω^)
これは分離不安症だけでなく、私が動物専門学校に通っていた時に得た知識なのですが…
え?!どういうこと?!
「ペットを優先してはいけない」というのは、あくまでも飼い主のペースで生活をし、それにペットが合わせるということです。
「ペットをないがしろにしていい」と言っているわけではなく、例えば以下のような内容となります。
ごはんの時間は朝晩2回と決めている場合
朝晩2回と決めるのはOK。
リズムよくフードを与えるのは体調面でも良いが、時間をきっちり決めない。
例1)犬や猫に催促されてフードを与えないようにする
例2)催促されても他の用事を済ませてからにするなど、飼い主が主体の生活をする
「鳴いたり問題行動を起こせば構ってもらえる」という気持ちを植え付けないためにも心を鬼にしましょう…。
出かける前、帰った時の過度のコミュニケーションを控える
「行ってきます!」「おりこうにしててね!」など、出かける前に声をかけることをやめる。
一人で留守番できるような子であれば、声かけもコミュニケーションになるので全く問題ないですが、
家の中で常についてまわるような子は声かけをすることで「いなくなっちゃうの?」「帰ってこないかもしれない?」と不安な気持ちを持ってしまうので、心を鬼にして黙って外に出ましょう…。
そして帰って来てからも過度に声かけをせずに何食わぬ顔で堪えてください( ;∀;)
すでに分離不安症が深刻な子には・・・
分離不安症について病院で相談すると薬を処方してもらえるのですが、薬で落ち着かせることができたとしても、根本的な原因を取り除くことはできません。
一時的な対処法に過ぎないため、我が家のペットが通う動物病院では推奨していないとのことでした。
「まずは飼い主さん側の対応方法で様子をみて、留守番ができるように徐々に慣れてもらいましょう」と言われました…。
そうはいっても飼い主さんにも生活がありますよね。
自傷があるなど緊急性がある場合は病院に相談してみてくださいね。
甘えさせる時は甘えさせて良い!
アイキャッチ、画像アトリエ100さんによる写真ACからの写真
あまりにも「飼い主さん主体の生活」を心がけていると、分離不安症の子に対して冷たく距離を置いてしまいがちです。
それでは、夕食後に家族でゆっくりしている時にペットが甘えてきたら?
それはもう全力で可愛がってください(*´ω`)♪
分離不安症の子はつまるところ「寂しい」という気持ちがあるので、
この2点が十分に伝わる事で症状は緩和されていくはずです。
我が家の保護猫たちも、こういった対応をしていくうちにしっかりとお留守番ができるようになりました(^^)/
飼い主さんも心を鬼にしなければならない場面もあるかと思いますが、全ては可愛いペットのため…。
乗り越えた先は、飼い主さんもペットもきっと幸せになれます!
一緒に頑張っていきましょう!