猫の病気の中で一般的に認知されている「猫風邪」ですが、野良猫ちゃんがかかる病気というイメージがあります。
主な感染経路は猫同士の接触となりますが、その感染力は非常に強く、網戸越しに野良猫と接触しても感染してしまうことがあります。
完全室内飼いだからと安心はできないってことですね!
「猫風邪」「猫インフルエンザ」と呼ばれることが多い症状の中で、一番頻度の高いウイルスが「カリシウイルス」と呼ばれるものです。
実は最近お迎えした子猫の「しお」がどうやらカリシウイルスを持っていたようで、我が家では猫風邪が蔓延してしまいました。
最初は感染していたであろう「しお」の目ヤニが出だしてその後結膜炎に…。
そして現在は症状が軽快した「しお」から巨漢な猫「てん」にうつってしまい、症状も重く、食事もまともに食べられない状況が続いています。
てん:意外としんどいわ。
猫風邪は猫ちゃんに多く見られる病気ですが、合併症などにより「命を落としてしまう可能性がある」大変怖い病気です。
「しお」と「てん」の症状と治療法、カリシウイルスについて詳しくご紹介していこうと思います。
結論から言うと…
猫カリシウイルスって何?
一般的に猫風邪と呼ばれている症状の多くは「カリシウイルス」によっておこされています。
猫がかかる代表的な呼吸器感染症の1つ。
高熱・くしゃみ・目ヤニ・鼻水・食欲不振・よだれを垂らすなどの症状を起こす。
症状が悪化すると口腔内に潰瘍が出来たり、肺炎を起こし最悪の場合死に至る可能性もある。
「猫ヘルペスウイルス感染症」と症状が似ているが、カリシウイルス感染症は口腔内の潰瘍などが特徴的。
カリシウイルスがどれだけ強いウイルスかというと、症状が軽快した猫でもその後30日間以上ウイルスを排出し続けるようです。
数年にわたりウイルスを排出し続ける場合もあるとか…。
どれだけ感染力が強いウイルスなのか、このお話だけでも分かりますよね(;^ω^)
症状が出たときの治療方法と経過について(しおとてんの場合)
子猫の「しお」が我が家に来て1ヶ月。
時々くしゃみをするようになり、段々とその頻度は増えてきました。症状がみられるようになって数日後、一気に目ヤニが発生…( ;∀;)
次の日には目が明かないほど悪化していました。
<治療>
・抗生物質の注射
・抗生物質の内服
・インターフェロンの服用(抗ウイルス)
「しお」の場合は受診して上記の治療を行いました。
その後すぐに症状が軽快。目ヤニが出なくなるまでおよそ2日くらいだったと思います。
猫たちがお世話になっている病院では治療費も6千円ほど。やはり早めの受診がベストですね。
「しお」の症状が回復してから数日後…。
あのガタイの良い「てん」ちゃんの目が開かなくなっていました(;^ω^)
翌日すぐに受診して抗生物質の注射を打ってもらいました。
その後、様子をみることになりましたが期間を開けずにごはんを全く食べなくなってしまいました。
「猫がごはんを食べられなくなる」ということは、かなり病気が悪化していることを意味します。
成猫の場合でも、1日ごはんを食べなかった場合はすぐに病院へ行ってくださいね。
猫風邪だけでなく以前記事にした「尿路閉塞」なども食欲不振を伴います。
ごはんを食べれないということは猫にとってかなり重大なことなのです…。
再受診したところ、かなりの高熱があり「食欲不振はそこからきたのでしょう」との診断でした。
ツイートにも書きましたが抗生物質の注射・栄養剤・水分など、かなりの量の注射を打たれて、打たれた箇所はラクダのように盛り上がってしまいました…( ;∀;)
(すぐに吸収されて治りましたが(^^))
※参考までに…2度の受診(てんちゃんのみ)でトータル1万円ほどの治療費となりました。
猫風邪の予防方法について
冒頭で書いたとおり、網戸越しでも感染してしまうほど強いウイルスであるカリシウイルス。
感染した猫から人間に付着して、自宅にいる猫ちゃんを感染させてしまうこともあるそうです…(;^ω^)
そのため「うちは室内飼いだから大丈夫!」なんて安心していてはダメということですね。
多頭飼いの場合は、1匹感染してしまうと我が家のように蔓延してしまう可能性が高くなります。
予防法ですが、カリシウイルスは「三種混合ワクチン」で予防することが可能で、万が一、発症したとしても抗体があれば重症化を防ぐことができます。
症状が出たらすぐに病院へ行きましょう!
人間だって風邪から肺炎にかかったり、食事が食べれず別の病気を併発してしまうことがありますよね…。
免疫力が落ちている病中は、人間でも猫でも治療を受けながら「安静」にすることが大切になります。
動物は言葉が話せないので(当たり前ですが…)、痛みや苦しみを訴えることが出来ない分、症状やいつもと違った様子があれば、早期に発見して病院へ受診することが大事です。
その「様子見」が病気を悪化させてしまうかもしれません。
症状が軽いうちに受診すると治りが早いので、少しでも「?」と思う事があれば「このくらいで…」と思わずに動物病院へ受診しましょう!